諦観の



 大きな雲に偽装した天空大陸。ヒカリの居城である水晶の塔はそこにあった。

 天魔の喧騒は遠く、獅童の遠吠えも届かず、鉄機の夜景すら見えぬ遥かな上空。静寂を通り越した誰も住まわぬ孤独の城で、ヒカリは鬼龍の地を見下ろしている。

 鬼龍は本当に小さな島国だ。この新世界の唯一神であるヒカリにとってすれば、容易く両手にすくってしまえる程度でしかない。だがそんな狭く小さな場所にも人々は住まい、命を営む。──家族がある。

「……」

 吹き渡る夜風が彼女の長い髪をさわりと撫でていった。今宵の月は大きく、夜が明るい。古代の人々がそんな煌々とした月や星々の具現と讃えた女神、天聖輝神ヒカリの美しい瞳は、ただ憂いに満ちるのみだ。

 ヒカリにだって、大事にしてくださるご両親はいるだろ──? 昼間の、本当に何気ない火牙刀の言葉が、痛みを伴って胸に染み入る。

 遥かな太古の頃、この世界の生命たちは生態系を作り、みるみるうちに進化していった。幼いヒカリは多種多様に姿を変える生物たちを見るのが毎日が楽しみで、飽きもせず彼らを眺めて過ごしたものだ。

 それが手足を獲得し、陸に上がり、群れで生活するようになり、そしてヒカリにほど近い外見を得るまでになったとき、不意に彼女は気付く。

 すべての生命が、『親』という存在を経た連鎖であることに。

 自分にそんなものはいない。少なくとも覚えてもいない。だが下界の、ヒカリと見た目変わらぬ子供たちにはすべて男親と女親が在り、彼らによって大切に庇護されているのだった。

  新たに生まれ来るも、また己があやまちで滅びゆくも、すべてがここでは『自由』──ヒカリは物心ついた頃から、あの唄とともにそんな言葉を覚えている。何をするもどうするも自由、自分の道は自分で決められる。それは一見して、素晴らしい選択の付与であるように見えるがそれだけではない。

 栄えることも突き進むことも自由であるならば、貧困に喘ぎ、無力に嘆くことですら『選択できる有様』であるとしたその言葉は、如何なる窮地・困難をも救済しないという絶対の厳格性をはらんでいる。

 下界の様子を眺めるうち、男親は子に厳しいものであると認識していたヒカリは、それを『父』の言葉だと思い、またそれを否応のない正しいものだと感じた。各地で起こるさまざまな悪報は悲しくつらいばかりだが、こうして世界が四つの国になるまでの旧き時代の経験から、それらを彼女個人の感情で救い続けたとしても意味がないことを知っているからだ。

 『お父様』はとても厳しいかた。けれどそれは、本当にたくさんのことを見て、学んで、身に着けてきた結果なんだわ──。彼女は、強くそう考えている。

 しかし今……ヒカリは悲痛に目を閉じる。

 天魔の王が手にする、輝くばかりの剣。

 あれと同質のものが、かつてこの新世界を滅亡の危機に至らしめるほどの大戦争を引き起こしたことがあった。半ば強引なヒカリの介入でそれは回収・封印され、最終的には事無きを得たけれど、彼女は、自分が創造した覚えのない恐ろしい力を秘めた武器に戦慄を禁じ得なかった。

 それから彼女は下界を傍観ではなく監視するようになり、それらしい品物を発見しては回収し、自らのもとで厳重に管理した。

 それらが持つ『記憶』を読み解くことで明らかになったのは、それらが彼女の創造主──旧世界の覇者である八人の神々が創造した未知なるアーティファクトであること。この世界の人がミスティック・ギフトと称しやまぬ、旧世界からの遺贈物であるということだった。

 新世界の全容を知るはずのヒカリですらそれらの全貌は知れず、正確な数となると想像もつかない。だが新しい何かが見つかるたび、決まってそこには人々が群がり、奪い合って争いになった。それを手にした者は尽くが略奪という暴力に曝され、無残な死を遂げていく。

 ミスティック・ギフトなどと、見当違いの名称もいいところだ。あんなものは争いの火種でしかない。それなのに、神がこの世を管理すべきではないなどと偉そうなことを言うだけ言って、無責任な『力』という呪いをこの地にばらまいて彼らは去っていった。胸に渦巻く激しい感情が、ヒカリにぐっと手を握り込ませる。

(何故、あなたがたはあんなものを遺していったの?)

 火牙刀の家族のように、咎なき無力な者らが無意味に死ぬ。この世がそんな戦乱の闇に満たされているのは、無闇な『力』があるからだ。当事者の火牙刀や自分がこれほど胸を痛めて悲しんでも、『彼ら』は姿を見せるどころか、片鱗ですら感じさせはしない。

 あんなものを遺されて、私は、管理者として信用されなかった。

 こんな世界にひとり残されて、私は、娘として愛されなかった──。

 溢れそうになる涙を、夜風がそっと拭っていく。

 それは暖かく柔らかいけれど、ヒカリが本当に望むものではない。

(『お母さん』──)

 彼女はもうひとつ、確固として覚えている。

 まだ自分が赤子であった頃、今のように身体を包んでくれた優しい風と、そこに混じった蕩けるような甘い匂いを。

 男親が厳しく強いものである反面、女親は常に美しく温かく、そして優しい。そんな認識から、ヒカリはその風の感触を、そしてその匂いをして『母』と呼んだのだ。

 けれど、それがとても空しい。

 彼女には、つらくてたまらないときに抱きしめてくれる母はいない。あやまちを犯したときに叱ってくれる父もいない。

 すべてを自らで判断し、歩んでいかねばならない。神としてはもちろん、少女としてですら未熟な彼女に、その選択の自由はあまりにもつらすぎた。

 助けてほしいと望んだことなど数知れない。だが、応える声も手も在りはしない。

 探しても、求めても、見つかるものは無慈悲な『力』の遺産ばかり。

 やり場のない悲しみは次第に澱み、あるときを境に、唐突に名も姿も知らぬ『親』に向く。



 嫌われているならそれでいい。

 私だって、あなたたちには何も望まないわ!

 ──ヒカリ。ヒカリ。

 風に乗って、ざわめくような『声』が聞こえる。

 月が、星々が、夜の帳が彼女に語りかけてくる。

 ──ココニ、イル。……ココニイル、ヨ。

「え……?」

 何を言われているのか解らず、きょとりとした少女の表情が、わずかな間を置いてふっと小さく笑みを作った。

「……そうね。私には、あなたたちが居るものね」

 幼い頃からこうして慈しまれ、また慰められてきた彼らには応えてやらねばならない。握り締めていた手をほどき、ヒカリはそっと夜を抱く。

 そして女神は唄を紡いだ。遮るものも拡散させるものもない広大な『世界』という空間に、彼女の唄は吸い込まれて消えていく。

 ──ヒカリ……ココニイルヨ……。

 友人として掛け替えのない彼らの温かな声を聞きながら、彼女は少しでも淋しいと思っていた自分を恥じる。

(そうよ。私にはこの子たちがいる。──火牙刀さんがいる。私にはお父様も、お母さんも必要ないわ──)

 この新世界の人々をも含めた、あらゆる生命の天寿をもってしても遠く及ばぬ時の彼方──神の視点での愛を謡うヒカリの閉じた瞳から、ぽつりと雫が流れて落ちた。



 武神家の客人の間で、その者はただ静かに座している。

 閉じた紙障子の向こうでは数人の兵が交代で見張りをし、面した庭のほうにもかがり火が焚かれ、巡回の者が定期的にやってくる。ただそれは、単にこの不可思議な客人を監視するだけのものではなく、どちらかといえば今夜ここへ連行されてきた山賊どもの脱走を警戒する意味のほうが強かった。

「……」

 わずかだけ開いた月見窓からは、天頂に輝く大きな満月が見える。けれど彼はそちらではなく、ふとあらぬ方向へ目を上げていた。

 何もない、板張りの天井へと続くだけの空間。未だ人工の照明を獲得しない仄暗い座敷で、そこに在ったのは。



「──驚いたな」

 菱永閑那は息をのみ、ぽつりと言った。

「まさか、私の式神が見えているとでもいうのか……」

 表座敷の間から更に奥へ進んだ、普段は寝所として使われる小さな奥座敷。武神家四天王と呼ばれる者たちはそこで、閑那が置いた手のひら大ほどの宝珠を覗き込んでいる。

 閑那は魔導を得意とする武将だ。式神なる『遣い』を飛ばすことで、遠方への偵察から攻撃まであらゆることをやってのける。そしてそれは同一の屋敷内であってももちろん適用可能で、彼女は今、自分たちの論点となっている客人の姿を確かめるべく術を行使する最中であった。

 式神とは本来、まじないの文言や図形を描いた護符、あるいは霊木の枝などの『媒体』に術者の力を宿らせて様々な生命体の姿を取らせ、魂の緒で繋いで遠隔操作をするのが一般的だ。

 しかし強靭な精神力を持つ閑那の式神は、そういったものを必要としない。彼女は自らの念力を薄れさせず、途切れさせることもなくはるか遠方へ飛ばすことが可能で、その存在を感知されることもほとんどない。各自固有の能力を備える武神四天王の中でも、その能力は特筆して奇異なものであった。

 そんな閑那が持つ霊樹の宝玉には今、放った式神からの『視覚情報』が絶えず送信されている。肉眼での直視に勝るとも劣らぬ鮮明なその映像は、『こちら』を見つめている蒼き客人の姿を余すところなく捉えているのだった。

「さしずめ『月草の君』……といったところか。怪しむべき点は特に無いな」

 何を論議してもいないのに、開口一番そんなことを言い出したのは藤山岳人だ。火牙刀や嵐丸に比べるとかなり大柄な男であるが、容姿は本人の自慢に違わず端麗で、城下の女たちに人気が高い。

「……」

 閑那がちらりと彼に視線を送るが、それは同僚の発言に意図を求めるようなそれではなく、どこか呆れたような色を含んでいた。

 それもそのはず。何故ならこの男の信条とは──。

「美しいものはそれだけで存在の価値がある」岳人はしみじみと腕を組み、素晴らしい名月でも讃えるように言った。「あの御客人は、丁重に持て成して然るべきだろう」

 また始まったぞ、この男の悪い癖が──。閑那を含めた一同が、神妙に視線を下げて長い溜息を吐く。

 そう、この男はその整った容姿から自己陶酔の意識が強く、自分と同じく──かどうかは他者の観点にもよるが──美しい者を見ると目の色が変わるのだ。確かに誰もが称賛するほどの秀麗さはそうあるものではないが、彼はそれを『稀少価値』であるとし、なんでも率先して保護対象にしてしまう。かつては龍上剣真にまでそのテの言及をしたというのだから、こいつの主義的な価値観には困ったものだ。

「判断は公平であるべきだ」改めて背筋を伸ばした閑那は、ばっさりと言った。「確かに見目麗しい御仁ではあるが、出自が判らぬ以上は慎重にならざるを得まい。この時勢だ、下手をすれば外部からの密偵である可能性もあるのだからな」

 ……。

 小さな座敷がシンと静まり返る。遠い森で鳴くフクロウの声が聞こえるほどに。

「……なんだ」そこに奇妙な気まずさを見出した閑那が、周囲に座した者たちを見渡した。「火牙刀、嵐丸。まさかおまえたちまで、岳人のような世迷言を言い出すのではあるまいな?」

「──あの、閑那さん」

 極めて慎重な面持ちと切り出しで彼女に声をかけたのは嵐丸だ。彼は一同からの発言を促す視線を受けて、傍らに置いてあった紫暗の布包みを皆の前に置いた。

 これを、と嵐丸に示されたそれを、閑那が取り上げて解く。

 出てきたのは、一振りの小太刀。彼女の手がそれを静かに抜き放った瞬間、嵐丸以外の者らが驚愕に目を見開く。

「なんだ、この太刀は!?」閑那が思わず言った。

 素人目にはそこらのどこにでもありそうな……否、それでも鋭い刃を持った、多少は稀有な美しさを持つ業物だということは判るだろう。けれどここにいる者たちは一様に、それの真価を見抜いている。

 刀身に使われた金属はもちろん、鍔や柄に施された繊細な装飾、何より蒼く煌めく刃の造形技術──そのすべてが鬼龍には存在しえぬ、皆が生まれて初めて目にするものであったのだ。

「嵐丸、これはまさか……」

「はい」嵐丸は神妙に、閑那に答える。「『あいつ』の持ち物です」

 包みに使っていた紫暗の大布も同じだ。嵐丸が斬ってしまったので不均衡に裂かれてはいるが、それでも、それが持つ本来の手触りと光沢が失われたわけではない。城下の商人がこれらの品を見たら、価値をはかり切れず卒倒するに違いなかった。

 山を下りる前、血相を変えた従者にこれらを差し出された嵐丸は、ほとんど閑那と同じ反応をした。慌てて本人に問い質そうとしたのだが、何を聞いても訊ねても、返るのはただ無機質な無言ばかり。

 ただでさえ得体の知れない感情に気が立っていたこともあり、いっそぶん殴ってやろうかという衝動を辛うじて堪えた私情は伏せて、嵐丸はそのときのことを手短に説明した。

「面倒事を持ち帰った身の上、こんなことを言えた立場でないことは承知です」

 そして彼は申し訳なさそうに、しかし押し通そうとするように強く言う。

「ただ、あいつは俺と戦おうとはしませんでした。こちらの攻撃に反撃をせず、どうにかして場を去ろうとしていたようでした。……なんかこう、先を急いでるみたいに」

 今に至ってそのときのことを思い出すほどに、嵐丸は、彼の者にはもっと違った目的があったのではないかと考える。捕えられ、逃げ出そうとすればより立場が悪くなることを理解しているからああして大人しく従っているだけで、彼は武神にも龍上にもまったく関係のない、完全な第三者であるように見えるのだ。

 しかしそうであると仮定する場合、こちらの言葉を理解している以上、口が利けぬのであればそれなりに思考を示す方法はあるだろうに、彼があくまで受動的で在り続けていることに疑問が残る。甚だしい誤解を放置し、連れられるまま監獄も同然の武神を訪れ、下手をすれば身の破滅にも繋がりかねない裁定を座して待つのみなど、本来ならば正気の沙汰ではない。

「俺は、あいつを『敵』ではないと思います」そこで嵐丸は、ついにその結論を口にする。「閑那さん。御館様には何卒、寛大な沙汰をいただけるようにはできませんか」

 せめて所属が判れば目的も予想できようものを、それさえできないから何も判らない。彼の者についての議論は、そこで八方塞がりを迎える。

「……」

 火牙刀は彼らの話をじっと聞きながら、また奇妙な既視感を味わっていた。

 これと同じことを、前にもやったことがあるような気がする。そこではもっと色んな人に訊ねて回っていたけれど、誰も答えは同じ、ただ知らぬ存ぜぬと首を振るばかり──。

「……明朝、私から御館様へご報告しよう」

 閑那はやっとそう言った。

 正体の知れぬ『客人』と聞きつけ、彼女はその程度のことであれば真幻へ報告するまでもなく自分たちだけで結論を出せると思っていたのだが、どうやらそうもいかないようだ。

 あの客人は、どこかの武家の子息かもしれぬという以前に、そもそもこの国の民であるかどうかも怪しい。そしてこの世界に存在する鬼人をはじめとした魔人、鋼人、獣人のどれにも当て嵌まらぬ特異な外見──下手をすれば更なる未知の国家が……などと、考えるほど真実から遠ざかっている気がしてならない。

「あとのことはやっておく。火牙刀、嵐丸。おまえたちは休むがいい」

 促しを受けた少年ふたりは、答える代わりに頭を下げて一礼をし、奥座敷をあとにした。



「なあ火牙刀。おまえはどう思った?」

 警邏の兵がうろつく中庭へ出たとき、嵐丸は火牙刀にそう問うた。

「あの御客人の出自についてか?」

「ああ」

 確認半分の火牙刀の言葉に嵐丸は頷く。その表情がいやに真剣だ──と火牙刀が身構えにも似た感覚になったとき、嵐丸はふーっと長い息を吐いて言った。

「閑那さんだって判断できなかったんだ、おまえに判るはずもないのは百も承知だ。……けど、気にかかるんだよ。どうしても」

 と、彼は自分の手を軽く持ち上げ、視線を落とす。

「早く安全を確保しなきゃならない気がするんだ。守ってやらなきゃいけないような」

 ……焦り。

 火牙刀は嵐丸の言葉の裏に潜んでいる、彼自身も意識していない感情を読み取っていた。冷淡気取りが常で感情の揺らぎを人目に晒すことを嫌う彼が、そうした自身の有様を忘れるほどに思考を奪われている。

 実を言えば火牙刀も、それに近い感情を心の奥に押し殺していた。

 彼の者の目を見たときの既視感。そして先ほどにも感じた同じもの。自分は何か大事なことを見落としていると判っているのに、ごく些細なことのようにはっきりとしない。だから焦りが生じる。

 きっと嵐丸は火牙刀が感じている以上に、その意識に近く直面しているのだ。

 ただ彼の場合、彼の者を野盗呼ばわりして直接攻撃を仕掛けてしまったことが、おそらく原因として大きく作用しているのだろうが。

「嵐丸」きっと罪悪感を抱いているのであろう相手に、火牙刀は真摯に言った。「俺も、サイガ殿は『敵』ではないと思う」

「──え?」と、嵐丸が驚いたように火牙刀を見た。

「明確なことが言えるわけじゃないが」と、そのことに強いもどかしさを覚えながら火牙刀は話す。「少なくとも敵意は感じないし、怪しい挙動もない。何よりその気になれば抵抗を示すこともできるのに、自分の身を護るための武具がこちらの手に渡っても、動じられたふうもないしな」

 火牙刀ら武神の者が彼を信用するかしないかで議論しているときに、彼はもうとっくに武神家を信用しきっている……そんな、前後が逆になったような矛盾にも近い感覚がしてならなかった。

 嵐丸が謂れもなく彼を『守らねばならない』と焦るのに対し、火牙刀が彼に感じているものをあえて言葉にするならば、親に『守られている』ような根拠のない安堵だ。この違いがどうして生まれるのか、どこから来るものなのかを掴み切れず、だからはっきり説明してやることもできず火牙刀がガシガシと頭を掻いていると、目を丸くした嵐丸が疑うように口を開いた。

「火牙刀、おまえ」

「え?」

「『サイガ』ってまさか、『あいつ』の名前か?」

「……え?」

「は?」

 初めて聞くその単語に、火牙刀が意味が解らないとばかりに目を丸くすると、そんな相手の反応の意味が解らないとばかりに嵐丸が眉を寄せる。

 火牙刀はまったく気付いていなかった。

 まるで初めから知っていたかのように、誰からか知らされていたかのように自然に、自分が彼の者の『名』と思しき言葉を口走っていたことを。




                             To be contonued...(2016/08/27)