しきものへ



 天魔の国よりやってきた翼を持つ少女は、人々を集め、語る。

 この世を生きる者に、神は分け隔てのない愛を注がれるのだ、と。

 その愛は如何なる者にも平等であり、どれほどの時を経ても果てることのない無限であり、常に人々の心に寄り添うものである。大いなる神を信じ、救いを求めるならば必ずやその思いは神に届き、奇跡を起こすであろう──と。

 戦う力もなく、否応なく戦乱の世を生きねばならず、戦火の中に愛しい者を失った多くの者がその言葉に感銘を受け、彼女の前にひざまずく。ある者は家財を投げうち、またある者は故郷を捨てて彼らの教えに没頭していく。

 この小さな島国である鬼龍の地で、天魔の『勢力』は、徐々に拡大しつつあった。

「火牙刀さんは、どう思いますか? ……さっきの演説」

 と、少女に問われて、じゃれあう小鳥の兄弟を眺めていた真城火牙刀は彼女を振り向いた。

 倒れて苔むした朽木に腰かけた少女は、煌びやかな色をした瞳と長い髪を持ち、白いケープをまとった異国の娘で、名をヒカリといった。本当はとても遠いところに住んでいたのだけれど、今はこの鬼龍の深い森の奥地で、草木や動物たちと静かに暮らしているのだという。

「どう、って?」火牙刀は訊ねる。

「神様の愛って、あると思いますか?」

 ヒカリはより具体的に質問を変えてきた。

 火牙刀の数少ない同世代の友人である彼女は、物静かで、黙っていても育ちの良さを窺わせる気品を備えている。控えめな性格で表情はやや乏しいものの、時折ちらつく微笑みは秋に咲く花のような儚い可憐さがあった。

 そんな彼女の表情は今、真剣だった。

 思えば彼女は、各地で起こる小競り合いや中規模な戦の話で痛みや悲しみを語り、『友人』と称する森の動物たちに子供が生まれたといって喜びを楽しみを語ったけれど、こうした人々の思想に関して言及してきたのは初めてのような気がする。

「……」

 火牙刀はちょっと考える。

 ヒカリは翼を持たないけれど、見てくれは天魔のそれにほど近い。鬼龍の者らが知らない異国の神を信仰していても何ら不思議はなかった。

「俺は、そういうのはあまりよく解らないけれど」と、火牙刀は前置きをして言った。「あるんじゃないかな。やっぱり」

「どうして?」否定でもするように、ヒカリは即答に等しく問いを重ねる。

「ど うして、って……そうだな。あのひとたちが説く言葉をそのまま借りるなら、その神様っていうのが、この世界を創った人だからだよ。誰だって自分の子供は大切だし、かわいいと思うだろう。そんな子供がつらい目にあって苦しんでいたら、助けに来ることもあるんじゃないかな?」

 狭く小さな島国でありながら、この鬼龍の地は未だ統一国家としては機能しておらず、古来より多くの武人が多くの領土をかけて争ってきた戦乱の地であった。

 今でこそ鬼龍は火牙刀が仕える『武神』と、そこに肩を並べる『龍上』──このふたつの武家が程なく雌雄を決せん、というところまで来てはいる。しかしほんの十年ほど前まではもっと多くの勢力があり、もっと激しい競り合いが各地で展開され、数多の村が焼けて多くの者がほとんど無為に死んでいった動乱の時代であった。

 火牙刀の家族もまた、そんな無数の死者の一部だ。名も知れぬ小さな勢力に過ぎなかった領主が他の領主に攻め入られたとき、敵の領民だからという理由で抗う術もなく斬り捨てられたのだ。

 幸いというべきか火牙刀がそれを目の当たりにすることはなかったし、住む地も家族も失くした彼が飢えと失意の中で死ぬより早く武神の者に拾われたことは、むしろ最高の幸運だったといえる。彼はごく一般的な幸福を得ることはできなかったけれど、武神に仕え、武芸を習い、いち武将として在る今は、他国の領民として生きていたなら絶対に有り得なかったものだ。宣教師たちの言葉を借りるなら、それこそ『神の導き』であったことだろう。

 火牙刀はそんな神仏というものを別に信じていないのではなく、特別な目で見ているわけでもない。ただ漠然と『居るのだろうな』と捉えている程度で、この世を創造したとされる所業に対しても畏怖などはなく、むしろこの鬼龍の地を統一せんと数多の領土をまとめあげてきた己が主君、武神真幻のそれと何ら変わらぬものと考えている。それは何も戦災孤児であった彼の価値観が壊れているせいでは断じてなく、火牙刀はあらゆる事象に『総意』や『寓意』など存在せず、すべてはあくまで個の意志だとする、確固たる個人主義者であるだけなのだ。

「ヒカリにだって、大事にしてくださるご両親はいるだろ? それと同じだよ」

 彼はそう言いながら、ヒカリの近くで戯れている動物たちを見た。

 まだ幼い兄弟がじゃれて遊んでいるところへ、親が餌の昆虫を運んでくる。親はまだ生きているその餌を子供たちの前でわざと放し、ごく小規模な狩りをさせて生きる術を身に着けさせるのだ。彼らは兄弟の間で取り合うことを覚え、技術を向上させてより強い命を次に繋ぐ。要するに『神』とは、この『親』に他ならぬ存在なのだ。

「私は……」

 と、ヒカリは視線を下げた。彼女の膝の上に居た子リスが、うつむいた相手の様子を気にして首を傾げている。

「私には、親なんて居ません」

 はっきりと言い切る──否、言い捨てる言葉。それまでの静かで物憂げな雰囲気を払拭したヒカリを、火牙刀はすこし驚いて見やった。

「神様が私たちの親だというなら、神様の愛なんてきっと無いんです」彼女は白い装束の裾をぎゅっと握りしめて、強い感情を抑えているようだった。「現に今、この世界は争い合って、憎み合って、殺し合っている」

「ヒカリ──」

「これだけ大勢の無意味な死を重ねても、神様はこの世界を救ってはくれません。私を迎えに来てはくれない……」少女の声が震えた。「この世界は見放されたんです。私たちは見捨てられてしまったんです」

「そんなことはないよ、ヒカリ」

 愛らしい瞳に涙を溜める少女の肩に、火牙刀はそっと手を置いた。

「どんな事情があるかは知らないけれど、それでもキミのご両親がキミを愛していないなんて、そんなことはない。きっといつでも、ヒカリのことを一番に考えて──」

「知ったように言わないで!」

 火が付いたように激昂したヒカリが、火牙刀の手を叩いた。

 のんびりと思いの時間を過ごしていた動物や小鳥たちが驚いて逃げ出し、火牙刀もまたぽかんとしてしまう。

「『お母さん』が私のことを大事に想ってくれているなら、どうして私には何も無いの!?」ヒカリは言った。「与えられたものもない、遺してもらったものもない! 今の私に在るものは全部私が自分で創ったものばかり! 証拠なんてどこにもないじゃないっ」

 彼女は『親』という存在の、顔や声ですら知らないのだ。その悲痛な叫びは、火牙刀にそれを察させるに充分なものだった。

 何か理由があってヒカリが親と離れて暮らしていることまでは暗に理解していたが、そこにはどうやらもっと込み入った事情があり、ヒカリ自身、それを強く憂えていることが窺えた。いや、憂いどころか、それはもう下手をすれば嫌悪の領域にも入ろうとしている。知らなかったこととはいえ、『神』という『都合のいい偶像』との引き合いに『親』という極めて身近な存在を出してしまったのは少々軽率だったと彼は反省する。

「ごめん、ヒカリ。軽はずみなことを言ってしまった」

「……私こそ、ごめんなさい。火牙刀さん」思い出したように、ぽつりとヒカリは言った。「私から聞いておいて、変なことを言ってしまって」

「構わないよ」火牙刀は心から言った。「してやれることはとても少ないけど、もしヒカリが悩んだり苦しんでいるなら、少しでもそれを話してくれたら俺は嬉しい」

「嬉しい?」ヒカリは驚いたように訊ねた。

「そうだよ」火牙刀は頷いた。「いまヒカリがつらい気持ちを話してくれたから、俺はヒカリが今までずっと淋しい思いをしてきたんだって解った。境遇は違うかもしれないけど、俺も家族を亡くした身だ。キミの気持ちをほんの少し解ることができるのが、嬉しいんだ」

「火牙刀さんって」ヒカリは唖然と言った。「……おかしな人」

「そうかな?」火牙刀は苦笑いした。「俺はただ、『気持ち』は『伝えるもの』だと思ってるだけだよ」

「伝える……もの……」

 ヒカリは相手の言葉を噛みしめるように、繰り返して呟いた。

 そして何かに気付いたように顔を上げると、目の端に残っていた涙の粒を拭い、笑みを見せた。

「ありがとう、火牙刀さん。あなたにそう言ってもらえて、私も嬉しいです」

「ああ。どういたしまして」



 陽が落ちて久しい時が過ぎた山に、いくつかの足音が駆け抜けていく。

 山賊たちは、ひとりの背を追っていた。

 相手は大きな紫暗の襟巻で顔を隠していたけれど、まとった装束はこの鬼龍の地でもふたつと見られぬ上等さで、大した目利きではない山賊どもでさえ相当な価値になるだろうと容易に見込める代物だった。

 深い木々の隙間から差し込む月光を受け、ゆく手を逃げる者が持つ長い髪が蒼く煌めく。それを見た賊どもはいよいよ逸り立った。ありゃあ極上だ、久々にでかい稼ぎになるぞ──。

 だがそのとき、追われる者は気付いていた。

 ゆく手──前方から、賊の仲間ではない別なる集団の気配が急速に近付いてくるのを。

 三、二、一。心の内で拍を読み、ゼロのタイミングでその者は地を蹴って跳躍し、闇深い木々へと身を投じる。闇に目が慣れていながらその速度を追い切れず、あっけなく相手を見失った賊らが次の茂みを抜けたとき、事態は急変した。

「かかれっ!!」

 若い掛け声とともに周囲に照明代わりの鬼火が灯り、赤い母衣をまとった十人余りの兵が彼らに襲い掛かった。

「しまった、武神の山狩りだ!!」賊の誰かが叫んだ。

 あっという間に数人が御用となり、残る者らも逃げろ逃げろと踵を返したけれど、瞬息で回り込んできた氷河のごとき影が撃ち出した無数のクナイによって、木々に縫い止められてしまった。

 ──開始の号令より一分にも満たぬ間で、五人ほどもいた山賊は全員がお縄につくこととなった。実に鮮やかな手際だ。

「嵐丸様!」兵のひとりが言った。「これにて山賊は全員確保致しました!」

「……いいや」

 配下の言葉を否定し、あらぬ方向へ目を上げる風祭嵐丸の手には、すでに次のクナイがぞろりと装填されている。

「そこだっ!!」

 吼えた彼が投げたクナイは、彼らのちょうど頭上に伸びていた太く丈夫な枝を掠める。

 ザッ、と、そこで何かが動いた。更に上へと逃れるその影は、つい先ほどまで山賊どもに追われていた者だ。

「ハッ、俺から逃げられると思うなよ!」

 このとき、嵐丸は勘違いをしていた。

 追われる者が目先の気配に気付いていたとき、先に居た嵐丸もまた、その者を含む賊の気配を察知していた。そして、『その者』が事前に激突を回避すべく身を隠していたことも。だからこそというべきか、嵐丸はその者を賊の仲間だと思ってしまったのだ。

 まあもちろん、こんな深夜にそれほどの身のこなしを持つ者が賊に追われている構図などそう想定できるものでもないのだから、正確に事態を把握できる者のほうが少ないであろうが。

 嵐丸が立て続けに放ったクナイは、即座に場を離れようとした相手の進路を妨害し回避の選択肢を狭める。危うく踏み外しそうになった枝を強く蹴って離れた高所へ飛び移る敵の行動を読み切っていた嵐丸は、懐から小太刀を抜いて一気に距離を詰めた。

 だがそのとき、敵は着地と同時に嵐丸を振り向き、首に巻いていた襟巻を解いて大きくバサリと翻してきた。

「うわっ!?」

 この闇の中でその紫暗は有効すぎる目くらましだ。次の一撃で決めるとタカをくくっていたところで拍を乱された嵐丸は、咄嗟に小太刀でそれを斬り裂き、すでにそこに敵の姿が無いことを確かめる。

(ナメたマネするじゃねえか!)

 敵は刀らしき武器こそ所持しているようだったが、それを抜く音はしていない。ならば反撃はない、と断じた嵐丸は己に隙ができることを承知で気を高め、両手に印を組んで術を起動した。

「──旋風衝!!」

 解き放たれた嵐丸の気が周囲一帯に吹き抜け、一瞬、時が凍ったような無音が満ちる。

 刹那、逃走をはかった『敵』は異変を察知してハッと息をのんだ。嵐丸の気が溶け込んだ大気は、もはや彼の手足の延長だ。範囲内に意識を広げた彼の意思を受けて、風が見えぬ爪となって四方八方から襲い掛かってきた。

 そのとき、奇怪なことが起こる。

 嵐丸が起こした以外に風はなかったし、他の術が起動した気配もなかったはずなのに、近場の木々が急激にざわめき、高い枝葉を寄せ集めるようにしてその者を覆い隠したのだ。まるで嵐丸の攻撃から護るかのように。

 だがその程度のものが成せる防衛もたかが知れている。多少の軽減には成功したであろうが嵐丸の意識には確かな手応えがあり、風の爪に捕えられた敵は容赦ない力で地に叩き付けられ、縫い付けられていた。

「おお、お見事です嵐丸様!」

「しかし何だったんだ、今のは……?」

「森の木々が勝手に…奇怪な……」

 配下たちが口々にざわめく中、地に戻ってきた嵐丸は有無を言わさぬ足取りで捕えた者へと歩み寄っていった。

「ヘッ、手間取らせやがって──」

 襟を引っ掴んだタイミングで術を解除して、顔をよく見ようとまるっきり悪役の台詞で引き寄せたとき、嵐丸の中でひとつ大きな鼓動が波紋を打った。

 灯した鬼火に照らし出されたその者は、嵐丸とそう変わらない歳の少年であった。蒼き生糸の如く美しい髪を朱の飾り紐で結い、耳元には見たこともない宝玉の装飾が光る。彼は今しがた全力で地に打ち付けられた痛手と衝撃に息を乱し、赤い瞳を朦朧と揺らしていた。

 目が合った刹那、ぞくりと冷たいものが背を駆け抜ける。

(違う)彼は瞬時に理解していた。

 今の感覚は『冷たかった』のではなく、──『熱かった』のだと。

「嵐丸様。いかがされましたか」

「い、や。なんでもない。……城へ戻るぞ」

 惚けていた自分を引き戻し、ひと呼吸置いた嵐丸はすっくと立ち上がるとあとを配下に任せ、さっさと踵を返す。

 気が変に高揚しているのが自分でわかる。こんなことは未だかつて覚えがない。

(何なんだ、あいつ……何だったんだ、今のは──)

 誰にも悟らせぬよう動揺を隠しながら、彼はふもとに繋いだ馬への道を急いだ。

 よりにもよって、傷付いた男を見て戦慄に錯覚するほどの興奮を感じたことなんか、生まれて初めての経験であった。



    プロローグ

 地が安定すると、そこには柔らかな風が吹き、見る間に草花が芽吹いた。

 見渡す限りの青空が広がり、生まれたばかりの世界は暖かな陽光に抱かれる。

 八人の神々は己が手で生み出したばかりのその地に降り立ち、風を受け、光を浴び、水をすくう。各々が思いの方法で世界に触れて、その存在を祝福する。そんなとき、

「我々は、この地を治めるべきではない」

 と、ひとりが言った。

「この地に今より生まれる新たな命はすべて、等しく同じ時を生き、そして死にゆく権利を持つ。日々を生きる術を、己が命を未来に繋ぐ術を、何より己を護るための術をも、彼らは自らで学び、編み出すべきなのだ」

「先の者となる私たちが、それを授けるべきではないというのですか?」別の者が言った。

「そうだ」その者は答えた。「たとえそれで我らと同じ道を歩むことになったとしても、それが彼らの選択であれば致し方ないことだ。──新たに生まれ来るも、また己があやまちで滅びゆくも、すべてがここでは自由なのだ」

 彼らは、これまで神々に管理されて生きてきた者たちだった。

 そんな日々には幸せもあったが、悲しみも苦しみもあった。神々がもたらした多くの輝きは多くの世を潤し育てたが、それを一手にすることを求める者らが立ち上がり、奪い合って争いになった。

 新たに生まれた分以上に死に消えた命があり、そして今、彼らの在った世界はついにその多くが滅び去ってしまったのだ。

 ならば、このたび新たに生まれたこの世界に、『神』である自分たちは関与しないほうがいい──。それが、黒き翼を持つ神の意見なのだった。

 他の神々に異論はなかった。

 けれど、それではこの地が完全な無法地帯となる可能性のほうが高い。これから生まれ来る小さく儚い命たちが、やがて己の意思を獲得し自分の足で立ち上がるその時まで……そして、それからも平穏な日々を望むならそのままに暮らせるよう、天地そのものを管理する者はどうしても必要なのだった。

 そこで彼らは各々の魂を交わらせ、その奔流の中からひとりの女神を生み出すと、彼女をこの世界の管理者とした。未だそれらしき命も生まれぬ静寂の大地に、未だ赤子のまま安らかに眠る女神を残して、新天地創造という役目を終えた神々は次元の彼方へ立ち去ろうとする。


 そのとき、彼らの耳に唄が聞こえた。


 一様に足を止めた彼らが振り向くと、古い唄を朗々と詠ずる、蒼き龍の神があった。

「サイガ──」対なる神がその名をもらす。

 遺せるものは何もない。

 与えられるものもない。

 けれどせめて、死にいった数多の世への手向けとして……新たに生まれて出でたこの世界への祝福として、この想いを送ろう。

 忘れないでほしい。我らの想いがおまえとともにあることを。

 我らがここを去るのは、この新世界を愛するが故であることを。

 どうか──、どうか──。

 彼ら八人の中でもっとも旧く、そしてもっとも芸能に秀でた神である彼が紡ぐ歌声は、高く、あるいは低く変幻の波をもって蒼穹の彼方へ響き渡る。見えざるものらが歓喜に沸き立つようにザッと強い風が吹き抜け、色とりどりの花弁が大地より舞い上がった。

 アハハハ──。まだ短い両手を花吹雪に差し向け、何も知らぬ赤子が無邪気に笑う。

 天空へ吹きあがった風が再び舞い降りてきて、幼き女神の望みに従うように彼女を包む虹色の球状結界を優しく抱く。それはまるで、己が腕を伸ばしてやれぬ龍の神の意志を宿すかのように、女神の鼻孔に柔らかく甘い匂いを残した。

『愛しておるよ、ヒカリ』

 これより無限の時を生き、生を迎え死を受け入れる変移と変革が常となるこの世において、唯一永遠の不変を約束した、その言葉とともに。




                              To be contonued...(2016/08/16)